アメリカの生産上の失敗
日本からの小型車は、こうした寡占構造につきまとう競争への抵抗と立ちおくれを衝いて、容赦なく大量にアメリカ市場に流れこみはじめました。
GMがあわてて日本車への対抗車として開発し、1970年秋に大々的宣伝のもとに売り出した「小型車」ベガは、小型化の点でも価格の点でも中途半端な失敗作となってしまいました。
女性評論家エンマ・ロスチャイルドはその著『失われた楽園』において、ベガに対するGMの誇大宣伝や狂信的愛国主義に触れながら、
「一見、謎のようにみえる外国車への消費者選好(フォードニ世のいう『外国崇拝・反デトロイト症候群』)は、理性的選択・・・
アメリカの生産上の失敗や市場高級化志向の結果1にもとついているように思われる」としています。
そして、
「企業ショービニズムの修辞をのぞけば、外国からの競争は一般的自動車摩擦の予期された成り行きだった。
すなわち、ベガはその愛国的効果を別とすれば、多目的な現代車であったにすぎず、最近における外国車競争の危機の前後を通ずるその経緯は、アメリカにおけるスローン主義マーケティングの末路を最もよく示すものである」
・・・と述べています。